感動の連続!立山アルペンルート2日間の旅

📅 訪問日:2025年9月下旬(室堂は紅葉の見頃でした)
今回はクラブツーリズムのツアー
「標高2,450m 立山黒部アルペンルート最高所の絶景宿 憧れの星に一番近いリゾートホテル立山 2日間」
に参加してきました。
ずっと紅葉の時期に行きたいと思っていた立山。しかしホテル立山は予約困難で一度は諦めていたところ、キャンセル待ちで運よく参加できました。紅葉の見頃には少し早めでしたが、土曜出発のツアーはここだけ。思い切って申し込みました。
1日目:富山から室堂へ、雲上の絶景体験
富山駅から立山駅へ
朝はゆっくりめの出発。北陸新幹線で富山駅に到着後、駅構内で昼食をとりました。選んだのは「生白エビ丼」。今年は不漁で少し割高でしたが、甘みが強くとても美味しかったです。路面電車のホームが駅構内にあり、富山駅そのものも魅力的でした。
その後バスで約70分、立山駅へ。ここからいよいよアルペンルートの始まりです。
ケーブルカーとパノラマバス
立山駅からケーブルカーで一気に高度を上げ、美女平に到着。ここからは標高1,000mから2,450mの室堂までを結ぶ「立山高原バス(E~SORAパノラマバス)」に乗り込みます。 走り始めてすぐ目に入るのは、まっすぐに天へと伸びる見事な立山杉。樹齢300年を超えるものも多く、その堂々たる姿は屋久島の屋久杉にも匹敵するといわれます。木肌には長い年月を刻んだ風格があり、静かに車窓から眺めているだけで、神聖な空気を感じるほどでした。 やがて標高が上がるにつれて、広葉樹林やブナ林が現れ、さらに高度が上がると徐々に樹木の姿は少なくなり、森林限界の世界へ。緑豊かな森から、ダイナミックな山肌が現れるまでの変化は、まるで「大自然の時間の流れを凝縮して見ている」ようで、バスの40分間があっという間に感じられました。
ホテル立山にチェックイン
室堂バスターミナルに直結する「ホテル立山」が本日の宿。築年数は古いものの清掃が行き届き、快適に過ごせました。冷蔵庫・空気清浄機・ドライヤーは完備。ただしコンセントが少なく、スマホ充電が不安定だったため延長コードがあると安心です。
最近、星野リゾートが買収したとのことで、今後のリニューアルにも期待したいですね。
室堂初散策の感動
ホテルに荷物を置いて、待ちきれずに外へ出た瞬間──目の前に広がるのは想像を超える大パノラマ。
「わぁ…!」と声が自然に漏れました。室堂は標高2,450m、日本有数の高所にある山岳景勝地。ここに立つだけで、日常の世界から一気に切り離されたような感覚になります。
室堂周辺では、森林限界を超えているため背の高い樹木はほとんどなく、広がるのは岩肌とハイマツ、そして青々とした高山植物たち。厳しい環境でしか生きられない植物が力強く根を張っている様子は、生命のたくましさを感じさせてくれます。
また標高が高いため気温も低く、同じ時期の平地に比べると10℃以上涼しく感じました。息を吸い込むと、少し空気が薄いように感じられるのもこの高度ならでは。酸素濃度は平地よりも約25%少ないと言われ、ほんの少し歩いただけでも息が上がりやすくなります。だからこそ、ここで見る景色の一つひとつが特別に思えました。
そびえる立山連峰、透き通るように青い「みくりが池」、そして季節によって表情を変える草花や紅葉。数百万年にわたる火山活動や氷河の浸食によって形づくられた大地は、まさに自然が作り出した芸術そのものでした。
「どうしてこんな景観ができたのか」と考えながら歩くと、単なる“観光”ではなく、大自然の歴史の一部に自分が立っているような不思議な感覚に包まれます。
夕方からはガイドツアーに参加し、みくりが池を経由して地獄谷へ。池に映る逆さ立山や、見る角度でハート型に見える姿に感動しました。
夕暮れ時には展望広場で雲海の向こうに沈む夕日を鑑賞。一般観光客が帰った後なので混雑もなく、贅沢な時間でした。
夜の楽しみ:スライドショーと星空観賞会
夕食後は立山の魅力を紹介するスライドショーに参加。続いて20時からは星空観賞会です。外は12〜13度ほどで冷え込みましたが、満天の星空と天の川がくっきり。望遠鏡では土星も観測でき、忘れられない夜となりました。
2日目:雷鳥との出会い、黒部ダムへ
早朝5時半に起床し散策へ。1時間程度散策しましたが、期待していた天然記念物の雷鳥にはなかなか出会えないな~と思っていたところに、みどり池付近で姿を発見!ふっくらした体が愛らしく、感動のひとときでした。
山の稜線から昇る朝日もまた格別。写真に収めた一瞬は一生の宝物になりそうです。
ホテルで朝食をとった後、ツアーの朝散策にも参加。昼食を済ませ、いよいよアルペンルートを縦断して下山します。
乗り物リレーの一日
・電気バスで大観峰へ
・ロープウェイで黒部平へ(紅葉の時期はさらに絶景)
・ケーブルカーで黒部湖へ
・歩いて黒部ダムを散策、迫力の観光放水
黒部ダムの迫力と歴史
アルペンルートの終盤に待っているのが、日本最大級のアーチ式ダム「黒部ダム」。高さ186m、長さ492mを誇り、完成当時は“世紀の大事業”と呼ばれた巨大建造物です。昭和30年代、延べ1,000万人以上の人々が工事に携わり、7年の歳月をかけて完成した歴史的な建築物。その背景を知るだけでも胸に迫るものがあります。
観光放水の時期(6月下旬〜10月中旬)には毎秒10トン以上もの水が豪快に放たれ、霧状になった水しぶきが太陽の光に反射して虹を描くことも。轟音とともに吹き上がる白い水煙はまさに圧巻で、自然と人工の力が融合した大景観に圧倒されました。
また、ダムの上を歩くことができ、片側にはエメラルドグリーンの黒部湖、もう片側には絶壁を背にした堤体が広がります。さらに階段を上って展望台へ行くと、ダム全体を見下ろせ、そのスケールの大きさに改めて驚かされました。階段はかなりきつく、息も上がりましたが、それだけの苦労をしてでも見る価値のある光景です。
黒部ダムは単なる観光名所ではなく、日本のエネルギー開発を支えてきた象徴的な存在。自然の美しさと人間の叡智の結晶を同時に感じられる場所でした。
最後はトンネルバスで扇沢へ抜け、ツアーバスで長野駅へ。ここで旅は終了となりました。
旅のまとめ
今回の立山アルペンルートは、とにかく 「絶景の連続」。室堂から望む山々、雲海に沈む夕日、星空、雷鳥との出会い、黒部ダムの迫力──自然と人の営みが織りなす壮大なスケールを体感できました。
紅葉は少し早めでしたが、その分緑と色づき始めのコントラストを楽しむことができました。四季折々に全く違った表情を見せる場所なので、春の雪の大谷、夏の高山植物、紅葉の盛り、冬の閉ざされた静寂──すべての季節に訪れてみたいと思いました。
立山アルペンルートを楽しむための情報
おすすめの時期
- 4月下旬〜6月:雪の大谷、残雪の絶景
- 7月〜8月:高山植物が咲き誇る夏山シーズン
- 9月下旬〜10月中旬:紅葉のベストシーズン
- 11月:初冬の静かな山歩き(閉鎖直前)
所要時間
・富山〜扇沢を通り抜けるだけでも6〜8時間は必要。
・途中の散策や観光を含めるなら 1泊がおすすめ。
お土産
- 立山限定グッズ(雷鳥やアルペンルートモチーフ)
- 黒部ダムカレーやダムカード
- 富山名物:白エビ関連商品、ます寿司
ツアー参加のメリット・デメリット
- 予約困難なホテル立山に確実に宿泊できる
- 移動やチケット購入がスムーズ
- ガイド解説や散策ツアーがあり理解が深まる
デメリット
- 行程が決まっており自由時間は限られる
- 食事や宿の選択肢が少ない
- 写真撮影や散策時間をゆっくり取りにくい
個人旅行で行くなら?
- 好きな時期・時間に合わせて計画できる
- 散策ルートや宿泊地を自由に選べる
- ただしチケット予約や乗り物の乗り継ぎに手間がかかる
- 人気のホテル立山は早めの予約が必須
まとめ
立山黒部アルペンルートは、誰もが一度は訪れたい「日本屈指の山岳景勝地」。
今回はツアーならではの効率的な旅で、短い日程ながら感動をたくさん味わえました。
次回はぜひ季節を変えて再訪し、また違った立山の姿に出会いたいと思います。
自然の雄大さと神秘、そして星に手が届きそうな夜空──忘れられない2日間でした。