3泊以上

屋久島3泊4日 縄文杉トレッキングと苔むす森の旅

marukototamago

📅 訪問日:2024年5月下旬

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1日目 移動日と宿へチェックイン

今回はクラブツーリズムさんの『あるく』からの参加です。

天せいろ

羽田から鹿児島空港へ、そこからさらにプロペラ機に乗り継ぎ、約40分で屋久島空港へ到着。
学生の研修旅行のグループもいたのか、機内はほぼ満席でした。

小さな屋久島空港は大勢の観光客で賑わっており、すでに「世界遺産の島」に来た高揚感を感じます。

しばらくすると宿の方がマイクロバスで迎えに来てくれました。今回の宿は「田代別館」。建物は古いですが、きちんと掃除が行き届き、食事と寝泊まりには十分。スタッフの方々は年配の方が多く、とてもフレンドリーで「明日縄文杉ね、頑張って!」と声をかけてくださり、温かさにほっとしました。

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この日はすでに夕刻。翌日の 往復22km・約10時間の縄文杉トレッキング に備え、早めに就寝しました。

2日目 縄文杉トレッキング(往復22km・41,000歩!)

朝4時、まだ暗い中を出発。宿前で迎えのバスに乗り、登山口までは約70分。途中で本日のガイドさんと合流しました。

スタート地点の 荒川登山口 で朝食のお弁当をかき込み、雨具を装備して出発。屋久島は「1年に400日雨が降る」と言われるほど雨が多く、この日も小雨模様。蒸し暑さに耐えながら、まずはトロッコ道を進みます。

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最初の約9kmは比較的平坦ですが、次第に周囲の樹木が変化し、巨木の屋久杉が増えてきます。森林浴の心地よさを感じながらも、合羽の中は蒸れて汗だく…。途中、脱水気味になりこむら返りを繰り返しましたが、塩分タブレットや漢方でなんとか持ち直しました。


トレッキング中の雨と苔の美しさ

屋久島は「1年に400日雨が降る」と言われるほど雨が多い島。
今回のトレッキングも小雨から始まり、時には本降りになったりと、ずっと雨具が手放せない状況でした。

ただ、ガイドさんが「雨の日は苔が元気に生き生きとするんですよ」と話してくれて、ふと周りを見渡すと、その通り!
岩や木々にびっしりと生えた苔が、しっとりと潤い深い緑色に輝いていて、まるで森全体が呼吸しているようでした。
雨だからこそ見られる屋久島の姿に、「雨も悪くないな」と思えました。道中ではガイドさんから「屋久杉の生態」や「自然保護」の話を聞きながら歩きます。ふと目に入る落ちていたマスクやごみに心を痛めつつ、「絶対に自分のごみは残さない」と強く意識しました。

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ウィルソン株

途中の見どころ「ウィルソン株」では、切り株の中から空を見上げるとハート型に見えるスポットで記念撮影。トレッキングの定番フォトスポットです。ここを目的にトレッキングされる方もいるのでは?と思うほどの人気スポットです。写真を撮るための列ができます。譲り合いでテキパキと写真をとり順番です!

一通り写真を撮ったら出発です!縄文杉を目指します!

あと少しというところで昼食タイム。ガイドさんによ用意していただいたお味噌汁が体に沁みわたり、体力も回復。残り2kmの急登を一歩ずつ進み…ついに 縄文杉 に到着!

縄文杉に到着して

最後の長い階段の上りおえた瞬間、目の前にそびえる縄文杉。その姿を見た瞬間、思わず息をのみました。

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屋久島最大級の屋久杉で、樹齢は推定2000年から7200年ともいわれます。雨の日も風の日もじっと耐え、悠久の時を生き抜いてきた巨木の前に立つと、人間の存在の小ささを痛感し、自然への畏敬の念がこみ上げました。

「縄文杉に呼ばれないと辿り着けない」とよく言われますが、まさにその言葉どおり。雨と蒸し暑さで体調を崩し、何度も足がつりそうになりながらも、諦めずに歩み続けて出会えたからこそ、その感動は言葉にできないほど。ちょうど雨がやみ、雲間から光が差し込んで幻想的な景色に包まれ、「本当に呼んでもらえたのだ」と感じ、胸がいっぱいになりました。

ただの観光地ではなく、太古の昔から変わらずここに立ち続ける存在に、自然への畏敬の念が改めて込み上げました。 「苦労してでも来てよかった」──心からそう思える瞬間でした。

帰路はただひたすら来た道を戻るのみ。足は悲鳴をあげ、会話もできず黙々と歩き続けました。トンネルの出口が見えたときには心から安堵し、歩数計は41,000歩超え。まさに人生の挑戦でした。

宿に戻って靴や合羽を乾燥機へ。階段を下りるのもつらいほど足は痛みましたが、大浴場でしっかりマッサージをして、その夜はぐっすりと眠りにつきました。

3日目 千尋の滝と白谷雲水峡(苔むす森)

昨日の疲れもなんのその、ツアーの最初はまず「千尋の滝」へ。
高さ約60m、幅も広く、一枚岩の花崗岩を流れ落ちる迫力満点の滝です。その岩盤の大きさは「一千人が手を広げてようやく抱えられるほど」と言われており、そのことから「千尋」と名が付いたのだとか。

展望台から見下ろす滝は、まさに圧巻。水しぶきが風に乗って頬に届き、自然の力強さを全身で感じることができます。周囲には深い緑が広がり、屋久島ならではの豊かな森と清らかな水の恵みを象徴しているようでした。

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雨の多い屋久島では水量が日によって変化し、訪れるたびに違う表情を見せるのも魅力のひとつ。今回は前日の雨で水量が多く、轟音を響かせながら一気に流れ落ちる姿に思わず見入ってしまいました。

お昼は名物の トビウオの姿揚げ。羽根までパリパリで香ばしく、屋久島ならではの味覚を堪能しました。移動中には野生の猿の親子に遭遇するサプライズも。

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午後は映画『もののけ姫』の舞台イメージとして有名な 白谷雲水峡・苔むす森 へ。やはりここでも雨模様で合羽を着込みます。しっとりと濡れた苔の森は、雨だからこそ一層幻想的。途中で「銀竜草(ギンリョウソウ)」を見つけ、写真に収めることもできました。

ギンリョウソウ(銀竜草)は「菌従属栄養植物」と呼ばれる、光合成をやめた植物です。緑色を失って白く見えるのは、光合成に必要な葉緑素を持たないためで、代わりに地下に共生する菌類を介して樹木から栄養を吸収することで生育しています。この菌従属栄養植物は、光合成競争から離脱し、菌類からの栄養供給に完全に依存する独自の生き方を進化させてきました。

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往復3時間ほどのトレッキング。前日の疲労が残る中でしたが、自然の美しさに励まされながら無事に完歩しました。

4日目 お土産と島時間を楽しむ

最終日の朝は宿近くの川を散策。清流のせせらぎに癒されながらのんびりとした時間を過ごしました。

お土産には屋久杉のコースターや一輪挿しを購入。屋久杉の黒い「こぶ」が入っているものは希少で高価だと知り、自然の神秘に改めて感心しました。

空港へ向かう途中も観光や買い物を楽しみ、帰路につきました。

旅のまとめ

屋久島は「縄文杉」だけでなく、「苔むす森」や「千尋の滝」など大自然の魅力が凝縮された島でした。
三泊四日の滞在はあっという間でしたが、世界遺産の森を歩いた体験は一生の宝物です。

体力的には決して楽ではありませんでしたが、自然の壮大さにふれることで心が浄化されるような旅となりました。

次回はぜひ 太鼓岩 からの絶景を見たいと思います。

旅のまとめと旅行Tips

屋久島観光の所要日数

  • 縄文杉トレッキング … 往復22km・約9〜11時間。まる一日を要するため、最低でも 2泊3日以上 の滞在が望ましいです。
  • 白谷雲水峡(苔むす森) … 往復3〜4時間ほど。縄文杉に比べると手軽ですが、雨や滑りやすい道には注意が必要。
  • その他の滝巡りや観光も楽しむなら、 3泊4日〜4泊5日 が理想です。

おすすめの季節

  • 春(4〜5月):新緑が美しく、気温も安定。トレッキングに最適。
  • 夏(6〜8月):雨が多いが、森の苔がしっとりと映える。水量豊かな滝も見応えあり。
  • 秋(9〜11月):登山シーズン。涼しく歩きやすい。紅葉は控えめだが快適。
  • 冬(12〜2月):観光客が少なく静か。ただし縄文杉ルートは積雪や凍結に注意。

年間を通して「雨は避けられない」ため、レインウェアは必須装備です。

個人旅行 vs ツアー

  • 個人旅行
    • 好きなルートを自由に組める
    • 費用を抑えやすい
    • ただし登山道やバスのアクセスを調べる手間、体力配分の難しさがある
  • ツアー参加
    • ガイド付きで安心、自然や歴史の解説も聞ける
    • 宿・交通がセットで効率的
    • 時間配分や行程は固定されがち

初心者や一人旅なら「ガイド付きツアー」、体力に自信があり時間に余裕があるなら「個人旅行」がおすすめです。

おすすめのお土産

  • 屋久杉工芸品:コースター・箸・一輪挿し。黒い「こぶ」が入っているものは希少で高価。
  • トビウオ関連:トビウオのくさや・すり身・姿揚げ。屋久島ならではの味覚。
  • 焼酎:屋久島産の芋焼酎「三岳」などは人気のお土産。
  • スイーツ・お菓子:たんかんを使ったゼリーやジャム、屋久島産の黒糖菓子。

旅を終えて

縄文杉や苔むす森は、ただの観光地ではなく「命の循環」を感じさせてくれる神秘の森でした。
屋久島は訪れるたびに違う表情を見せてくれると言われます。次は太鼓岩からの絶景を見に、再訪したいと思います。

屋久島トレッキングの持ち物(必須・便利グッズ)

  • レインウェア(上下セパレートタイプ) … 傘は昼食時等必須。屋久島では必携。
  • トレッキングシューズ … 防水で足首をしっかり守れるもの。
  • ザックカバー・防水袋 … 荷物の浸水防止に必須。
  • 水分・塩分補給 … 塩タブレットなど水分は湧水が豊富なので不要です。
  • 行動食 … カロリーメイトやナッツ、チョコなど小分けで食べられるもの。
  • 手袋(軍手でも可) … 滑りやすい岩や根をつかむ際に役立つ。
  • ヘッドライト … 万が一の遅れに備え。
  • 常備薬・湿布 … 筋肉痛や脱水対策に。
  • ゴミ袋 … 「来た時より美しく」を守るため必須。

年齢・体力に関するアドバイス

屋久島の縄文杉トレッキングは「観光ハイキング」というより 本格的な山登り です。
往復22km・約10時間という距離は、普段歩き慣れていない人にとって大きな挑戦となります。

実際、私自身50代半ばで挑戦しましたが、 「屋久島は若いうちに行った方がいい」という先輩方の言葉を痛感しました。
膝や股関節への負担は大きく、帰りは正直一歩一歩がつらかったです。

とはいえ、きちんと準備をして自分のペースで歩けば、年齢に関わらず達成できる人も多いです。

  • 出発前に 軽い登山やウォーキングで足腰を鍛える
  • ガイドツアーに参加して無理なく歩く
  • 杖(トレッキングポール)を活用する

など工夫をすれば、安心して挑戦できます。

「もう少し体力があるうちに来ればよかった」と思った一方で、 いまの自分で歩けたこと自体が大きな喜び でした。

年齢・体力に関するアドバイス(追記)

屋久島の縄文杉トレッキングは、観光気分だけでは歩ききれない「本格的な山登り」です。
往復22km・約10時間という距離は、日頃から運動をしていないとかなり厳しいと思います。

私は50代半ばで挑戦しましたが、そのために 1年前から地域のハイキングサークルに所属し、少しずつ山歩きに慣らしてきました。
その積み重ねがあったからこそ、体調を崩しかけながらも最後まで歩ききることができたのだと思います。

「屋久島は若いうちに行った方がいい」とよく言われますが、準備次第で年齢に関係なく挑戦できると実感しました。

  • 普段からウォーキングや軽登山で足腰を鍛える
  • サークルや仲間と歩いて経験を積む
  • トレッキングポールやレインウェアなど道具を揃える

この3点を意識するだけでも安心感が全く違います。

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ABOUT ME
まる子
まる子
超初心者ブロガー・会社員
三人の子どもを育て上げた後、限られた休日を大切にしながら旅を楽しむ会社員です。
おひとり様で計画した自由な旅から、娘との女子旅、家族旅行まで、国内各地を巡ってきました。
旅のスタイルは、その時の気分や季節に合わせて。
平日の夜はテニスやピラティスで体を動かし、週末や連休には心をリフレッシュする旅へ。
ブログでは、実際に訪れた観光スポットやグルメ情報、旅の行程や費用感も含めて、等身大の旅行記を綴っています。
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